京都は伏見だけでも20を超える酒蔵がある酒どころ。そんな京都府内の地酒を飲みながら、リアルタイムで綴るお酒の話。
おおむね月1更新。飲み手・書き手=小国文男
玉の光の備前雄町は以前、有機栽培100%のタイプを味わった。この蔵のコンセプトは純米醸造で、米にこだわり銘柄も米の種類で分類しているという。振り返れば祝米のタイプも味わっているから、次には山田錦のタイプを味わいたいところだ。
ところが偶然、備前雄町100%の玉の光が手に入った。こちらは有機栽培100%とはうたっていないが、それに非常に近い姉妹銘柄だ。せっかくなので感想を書き留めておこうと思う。
有機栽培100%のタイプに比べると、瓶はグリーンでややライトな印象。精米歩合も45%に比べて50%とやや低い。値段は半分程度のようだ。これはうれしい。
ラベルの説明には似たようなことが書いてある。7〜10度に冷やして飲むのがよい。「本当のドライは酸により決まります」とあって、「酸」も「糖」も強いので、コクのある辛口だという。
開栓する。コップに注ぐ。ごくごく淡いブラウンで無色ではないが、なんだかトロリとした印象。口に近づけるとほのかに吟醸香。うん、久しぶりだ。口に含む。リンゴのような香り、かな……。喉ごしは穏やかだが、確かにコクがある感じ。
以前の有機栽培100%を飲んでからもう2年半くらいたつので記憶も薄れ、前に書いたものを読みながら思い出してみるが、飲み比べているような比較は不可能だ。でも、たぶんこちらの方が少し軽いような気がする。
日本酒度や酸度などのデータは、瓶にも蔵元サイトにもないからわからないが、いまのところ生協のポールウインナーも欲しないから……、と書きかけて、おや? コップ3杯目くらいで欲してきた。で、ウインナーを食べながら(口にあるあいだに)飲むと、これまたおや? 辛口が立ってきた。
面白い。食べながら飲むと辛くなるんだ。きっと嗅覚が酔っぱらってきたからだろうが、今日は控えめにしておこうと思っていたのに、またコップに注いでしまった。
でも次こそは、山田錦タイプを味わってみたいな。
【データ】
備前雄町100%純米大吟醸「玉乃光」
醸造元:玉の光酒造株式会社
製造年月:2008年12月
原材料名:米・米麹
原料米:備前雄町100%
精米歩合:50%
アルコール分:16度以上17度未満