僕は少数派─ATOK11によせて
昨日、ATOK11を買ってきた。MacOS8にしてから、ATOK8ではテンキーからカンマの入力ができなくなっていて不便だったが、これで解決した。それはいい。だけど不満がふたつある。
ひとつはキー設定だ。ATOK8では「Option系」というキー設定を使ってきた。今後も慣れたキー操作がいいのはもちろんだ。ところが、ATOK11にはこのキー設定ファイルがない!
たぶん、ATOK11の基本キー操作が「Option系」、JISキーボード用が「Control系」に設定されているようで、その関係から特に「Option系」という別の設定がないのかもしれないと理解した。
しかし、僕はJISキーボードを使っているのだ! そりゃないよ、ジャストシステムさん……。仕方がないから、JISキーボード用のキー操作を慣れた設定にカスタマイズしているところだ。しかし、これもまだいい。さらに不満なのは、デフォルトの設定とマニュアルがローマ字入力を基調にしていることだ。
おお、世の中そんなにローマ字入力ばかりなのか。僕は最初から一貫してカナ入力だ。カナ入力ってそんなに少数派なのか。だけどカナ入力は、慣れてしまえば楽だし速度も早いと思っている。そもそもカナだと1ストロークですむ。ローマ字だと基本的に2ストロークが必要だから、スリップしながら走っているようなものだ。
それに、日常的にローマ字的思考をすることはほとんどない。キーボード上だけでローマ字的思考をするわけだ。これは不合理だ。日常的な思考と同じ感覚で入力できるのもカナ入力の魅力だ。
アルファベットを別に覚えなければいけないのがデメリットとして指摘されている。いいじゃないの覚えれば。僕は別に英文タイプの練習もしたものよ。僕のまわりもローマ字入力が多数派だが、「Q」とか「X」とかローマ字入力で使わないキーにとまどう人が意外に多い。どっちにしたってアルファベットは必要なんだから、それはそれとしてしっかり覚えるべきなのだ。キーボード操作は、やはりそのための練習法が必要だ。僕は増田忠さんという方の「増田式練習法」というやつで練習した。これはかなり効果がある。
増田氏によると、キーボードを練習するのに意味のある単語を打ってはいけないという。いきなり両手の練習をしてもいけない。一定の法則にそって、片手ずつ指を動かす練習をするわけだ。ピアノだって片手から練習を始めるのだから、なるほどと思う。
たとえば右手で、「KK JK HK LK ;K」を「中指・中指、人差し指・中指、人差し指・中指、薬指・中指、小指・中指」と、常に中指を基準にして動かす。少し練習したら、「これはすごい」と思うくらい早くなるし、自然にキーを覚えてしまう。これは英文タイプの練習だが、これがすべての基本だ。僕もこれから始めたし、カナ入力でもアルファベットが怖くないのはこのためだ。
もちろんカナ、ローマ字、親指シフトに対応しているから、おすすめの練習方法だ。『キーボードを3時間でマスターする法』など著書もたくさんあるし、本屋で「増田忠」という著者名で探せばすぐに見つかる。しかしまあ、そもそもMacを使っていること自体が少数派だし、HTMLファイルをSimpleTextで作っているのもたぶん少数派、カナ入力も少数派……。どうやら僕は、少数派好みのようだ。
(記/1997.11.21)
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