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油長さんからメールマガジンが届いた。英勲の「普段は蔵元の秘蔵酒として、イベント会場でのみ販売される限定品を今年度60本に限り当店で販売することが許可され」て、6月と9月に各30本入荷するという。どうも僕はこういうのに弱いようで、そんなレアものなら買わねばなるまい、とさっそく予約してしまった。
というわけで、先月に続いて今月も同じ蔵になった。
やってきたその特別限定品の紙箱から出てきたボトルは、ラベルがなくて木札がかけてあった。
箱には、斗瓶採りの写真入りの解説が入っていた。醪を酒袋に入れ、圧力をかけずにしたたり落ちる酒を18リットルの斗瓶(ガラス瓶)に採り、その上澄みを小瓶に詰めて温水で殺菌し、2度Cの冷蔵庫で保管(瓶囲い)したものだという。
ボトルに見覚えがあった。「京姫」に似ている。比べてみるとまったく同じものだった。実は面白い形だったので、「京姫」のボトルをとっておいたのだ。
こういう瓶は蔵ごとのオリジナルなのか、広く共用しているのかなど、よくは知らない。実際、似たような瓶はよくある。ただ、このボトルはかなり個性的だ。
それだけに、一般市販品でないとはいえ、見ただけで他の銘柄のイメージがわいてしまうのはいかがなものか、という気が少しした。(7/20追記)
唯一の違いは栓で、「英勲」にはコルクが使われていた。手では抜けなかったので、日本酒では初めてソムリエナイフを使った。が、ワインほどの大きさも固さもないので、コルクの方が割れそうになった。
開けるとほのかに吟醸香がただよう。いつものコップに注ぐと、淡いブロンズといったところ。
ほんの少しを口に含んでみた。舌先では甘みを感じやすいというが、そう甘くはない。前回紹介した「酒よもやま話」に「人間はトウガラシの辛みを『辛い』と感じ」……、「酒には『甘くない』という感覚しかない」とあったが、なるほどこういうことか、と少し納得できた感じだ。
実際このお酒、香りは少し甘い感じがするのだが、のどごしは決して甘くなく、ドライ感というかフレッシュ感のような感覚を覚える気がする。
アテがなくても飲めそうなあたりは僕的には旨口系だが、冷蔵庫をあさると好みの生協のポールウインナーがあったので、出してきた。で、試しにウインナーを食べながらお酒を口に含んでみると、食べたあとで飲むよりも、口当たりものどごしもまろやかに、旨くなった。この飲み方、ちょっとはまるかもしれない。
(記/2006.6.11)
2006/7/20追記
この瓶は「ミニ斗瓶」と呼ばれるものらしい。本来の斗瓶は1斗、つまり10升、すなわち18リットル入りの、たとえばこんなのらしいが、それを模したミニチュア瓶ということのようだ。そして同じ瓶を使っているものも、こんなのとかこんなのなど、いくつか見つけることができた。
したがって、この瓶から特定の銘柄をイメージするのは当たらない。失礼しました。
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