[ひとりごと(1998.12.23)]

また失敗してしまった

 年末で忙しくなってきて、本当はこんなこと書いてる場合じゃないんだけどさ、またやっちゃんただよね、失敗。トホホ、ですよ。
 ものは9月くらいからかかっていたある広報紙。まったく新しく立ち上げるというんで、ページデザインから入って、ロゴやらも作ったんだよね。部数も少ないし、どちらかといえば内部的なものだからと、紙版での印刷。版下はわが事務所のくたびれたプリンタで出力したものを使うというもの。原稿が入るが遅かったから、12月に入ってバタバタと追い込んで、ようやく納品となったんだ。

 納品してからしげしげと見ていたら、あれ、何か変だ。版面をセンターにレイアウトしたはずだのに内側にオフセットされていて、天地と小口がやけに広い。トンボに当ててみたら、ありゃま、大きいやんか。
 測ってみたら確かに用紙サイズが大きかった。天地で約1センチも違うのだ。化粧断ちのミスだ。ところが問題はそれだけではなかった。定規をあてたら、ありゃま、トンボのサイズも左右で8ミリも小さいではないか。よく見ると、文字サイズも全体に小さくなっている。
「あちゃ〜、これ縮小されてるがな! なんでや〜」

 まあしかし、内容的な間違いではないし、見た目には紙が大きいというくらいで、業界人でなければそれほどの違和感はない。それでもせめて裁ち直しをしようとクライアントに連絡したが、「ちょっとくらい、いいよいいよ」とのことで助かった。

 しかし、自分自身は収まらない。なんで縮小されてしまったのか? ファイルを確認したら、用紙設定では確かに「100%」となっていた。ではなぜ? そこであっ! と思い当たった。
 実は校正段階で、ATMフォントの印字が思わしくなかった。用紙設定で「PDFのスクリーン値を使用」をチェックしていれば、これまではきれいにプリントできていたのに、どうもおかしい。
 そこで、よくわからないまま用紙設定のオプションで「精密ピットマップアライメント」をチェックしてみた。フォントはきれいにプリントできたので、これでよしよしと思っていた。
 ところが、これが原因だったのだ。このチェックを入れた状態でプリントして確かめたところ、約96%に縮小されてしまった。チェックを外せば100%でプリントされる。おお、なんということだ。しかもフォントの印字も特に問題ないのだ。あのときは何だったのだ、まったく。

サンプル
「精密ピットマップアライメント」をチェックすると内向きの矢印が表示された。これ、縮小の意味だったんだ。

 こうして、「精密ピットマップアライメント」には気を付けろ、が今回の教訓になった。それと、最後はキッチリとサイズも確認するべし、ということだ。
 よく見れば、プリント位置もずれているから気がつくのだが、バタバタしているときは見落としてしまう。やっぱり心に余裕がないとミスにつながるということだ。今回は僕と印刷屋(製本屋)の二つのミスが重なったが、心の広いクライアントに助けられた。感謝。
 それにしても、わがプリンタではローラーがくたびれているのか、プリントに歪みがあると印刷屋にも指摘された。紙版はどうも考えものだなあ。

(記/1998.12.23)


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