[ひとりごと(1999.5.4)]

1,350円で直ったモニタ

 モニタが突然映らなくなったのは、今年の1月の終わり頃のことだった。いつものように起動しても、モニタは真っ黒のままなのだ。Macは確かに起動している。当然だが、まずは再起動する。やっぱり映らない。何だ何だ? 何が起こったんだ?

 もちろんモニタのパワーはオン。しかし、パワーセービング状態のまま。モニタのマニュアルを読むと、この症状はMacから信号が来ていない状態だという。そんな……、Macはしっかり立ち上がっている。
 試しにパワーキーを押してみた。終了操作だ。プヨ、と音がしてアラートが開いたことがわかる。エンターキーを押すとMacは終了した。モニタが映っていないだけで、Macは動いているのだ。
 モニタには自己診断機能があるというので、それをやってみる。するとどうも、モニタも正常のようだ。そこで、コネクタを確かめたり、ケーブルをゴソゴソ動かしたり……。突然「ブーン」と消磁の音がして映った。接触が悪かったのか?(もっとも、この解決ケースはその後二度と起こらなかった)

 このモニタはSONYのマルチスキャン17インチ、5年間使い続けている7100につないでいる。初代のモニタは3年ほどでつぶれて買い換えたものだから、使い始めて2年ほど。まだまだつぶれてもらっては困る。

 しかしその後、同様のトラブルがときどき起こるようになった。最初の起動で映らないこともあれば、ある時は再起動したとたんに映らなくなったりする。
 始末が悪いのはこのモニタ、完全につぶれたわけではないようなのだ。というのは、映らなくても何時間か放っておけば、また映るのだ。夜に症状が起こっても、翌朝には何事もなかったように映ることもしばしば。まったく、どないなってんねん。
 ただ、映らなくなって再び映った時のアイコンの配置は、それまで画面が13インチモードだったことを物語っていた。このあたり、何かのカギかもしれない。

 で、だましだましというか、だまされつつというか、とにかくなんとか使っていたが、我慢できなくなってディーラーに相談したのは2月の終わり頃だった。
「持ち帰って別のモニタにつないで確かめましょう」
「あ、それならうちのもう1台と入れ替えれば同じことですよね」
 このモニタをもう1台のMac8500につないで映らなければモニタが異常、入れ替えたもう1台のモニタが映らなければMacが異常ということになる。

 さっそく実行。ところが、両方とも正常に映るんだな、これが。1週間ほど様子を見ても問題はない。どうやらMacもモニタも単体ではこれといって問題はないようだ。
 このまま入れ替えたままでもいいのだが、もう1台のモニタは20インチでこれはDTPに使用しており、モニタとともにデータも入れ替えるのは不都合だ。それでモニタを元に戻してみたが、また元の黙阿弥になってしまった。うーむ……。
 しばらくは、トラブルが起こったらモニタを入れ替えるという方法で対処していたが、これも面倒なことこの上ない。

 取引先で話していると、ビデオカードがおかしいのではないかと言う。確かにG3カードをつけた時にビデオカードの位置を変えているから、その関係もあるのかと見てみたが、どうも異常はない。それにモニタを変えれば正常なのだから、これは犯人ではなさそうだ。
 その取引先ではまた、まったく同じ症状が起こったことがあると言う。とにかく特定のMACで映らず、結局は買い換えたそうだ。
「確信はないけど、どうもコネクタ、それもMAC用に変換するアダプタにキャッシュみたいなものがあって、それが特定のモニタを覚えているんじゃないかと思えてくるねん」

 ふむ、なるほど。キャッシュ云々は、後にディーラーに聞いたら「それならアダプタだけで数万になってしまいますよ」と言っていたから外れだろうが、アダプタが有力な容疑者として浮かび上がってきたのは確かだ。
 というのも、MACもモニタも問題はないわけだ。すると問題なのはMACとモニタの間にあるもの、それは変換アダプタしかない。もっとも、モニタを入れ替えた時は、このアダプタももちろんいっしょについていくのだが……。

アダプター
犯人はこの変換アダプターだった
 で、4月になってその旨ディーラーに連絡すると、試しにと会社のアダプタを持ってきてくれた。それに変えて2週間ほど様子をみたが、まったく問題なし。こうなると、特定のMacとの間でのみ問題が起こるのがなぜかは不明だが、とにかく犯人は決まった。
 このアダプタ、どこにでも売っているというので出かけたついでに買ってきた。2種類あったが、安い汎用のもので1,350円。付け替えたら、いきなり13インチモードで映ったので「ケチッて損したか」と一瞬びっくりしたが、いつものモードに変えればまったくOK。その後は何の問題もない。

 修理をすれば10万円、買い換えても数万円ということらしいので、この1,350円は価値ある値段だった。しかし、ここに来るまでは長かった……。

 余談だが、モニタのマニュアルによると、コネクタの15番ピンが曲がっていないか、とあった。見てみると曲がってはいなかったが、試しにドライバで触れてみた。自分では消磁のつもりだ。するとどうだ、さっきまで映っていなかったモニタが映ったのだった。
「ひょっとしたら、それで直ったかもしれませんよ」
 と、ディーラーは言った。まあしかし、高いものでもないから結局新品に交換したのだった。
 ちなみに、15番ピンの信号名は「クロックライン(SCL)」とあった。私にはさっぱりわからないが、詳しい人なら問題の所在がわかるのではないだろうか。

(記/1999.5.4)


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